女性化乳房症について

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女性化乳房症とは

 先日、20歳前半の男性患者さんが受診されました。右乳頭周囲が張っている感じがあり、痛みも気になるとのことでした。
 視触診してみると、右乳頭直下に30mm大楕円形の軟らかい腫瘤を触れました。視触診のみでおそらく女性化乳房症だと判断できるものでした。超音波検査をすると、左乳頭直下には正常な皮下脂肪しか見えませんでしたが、右乳頭直下には乳腺組織に類似したエコー像を認めました。典型的な女性化乳房症の所見です。

 女性化乳房症とは、男性において本来であれば萎縮しているはずの乳腺組織が、片側または両側性に発達した病態で、乳輪の下に楕円形の軟らかい腫瘤を触れます。症状としては疼痛や圧痛を伴います。押さえると痛い、女性の乳腺が張った時と同じですね。思春期と中年期以降に多く認められます。肥満男性において、脂肪組織によって乳房が膨らんだように見えるものとは異なり、乳腺組織が女性のように発達してしまっている状態を指します。原因としては、思春期の場合、一過性の内分泌平衡失調(女性ホルモンと男性ホルモンのバランス異常)によることが多く、中年期以降の場合は肝臓や腎臓などの疾患がある場合(これらの臓器はホルモンの代謝にも関与しています。)、また薬剤性(降圧薬、抗潰瘍薬、抗精神薬など)、また原因不明のこともあります。

 女性化乳房症は画像で男性乳癌でないことを確認できれば(男性乳癌の可能性も考えられる場合には生検で確認)、特に積極的な治療が必要なものではありませんが、症状が強い場合、例えば薬剤が原因であれば薬剤変更で対応したりもします。どうしても症状が気になる場合や、患者さんの希望があると最終的には外科的切除という選択肢もあります。

 私が外科的手術をしたことがある思春期の方の多くは『恥ずかしくてTシャツが着れないから手術して欲しい!』というような理由でした。確かに、いろいろデリケートなお年頃であれば、気になりますよね。

 この患者さんに対しては、しばらく様子を見ていただき、症状が続いて気になる場合はまた相談しましょうとお話ししました。

女性化乳房症の治療

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当院常勤医、日本外科学会専門医、日本乳癌学会認定医
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