シリコンインプラントによる乳房再建はどうなの?

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シリコンインプラントによる乳房再建をするかどうか迷っています

 先日、当院で乳がんと診断した患者さんから相談がありました。治療のため紹介した施設の主治医より温存術は難しいと言われ、全摘術に加え乳房再建をするかどうか迷っているということでした。その迷いの原因は、お知り合いの方でシリコンインプラントによる再建術を受けた方がおり、その方からあまり良い話を聞かなかったからだそうです。

一昨年だったか、このブログで最近の乳がん手術ではシリコンインプラントによる乳房再建が増えているという話をしたかと思います。これは、5年ほど前に乳がんの患者さんに対してのシリコンインプラント再建が保険適応になったことも大きく影響しています。
この乳房再建実施については日本オンコプラスティックサージャリー学会が主体となり、その実施についてはガイドライン遵守、実施可能な医師も制限されています。また、乳房のかたちは患者さんひとりひとり異なるのは当たり前ですが、実際保険診療の範囲で使用できるインプラントの種類が限られているので、“可能な範囲”で左右差なく合わせるということになります。この“可能な範囲”に対する認識は手術を実施する医師、また患者さんそれぞれですので、たまにはその認識にズレが生じて問題になったりもします。

最近の乳癌手術の傾向

インプラントのかたちには、大きく分けてラウンド型(丸いお椀のかたち)とアナトミカル型(下方に厚みのあるしずくのかたち)があり、それぞれ小さいものから大きなものまであります。小さいものからと言いましたが、このインプラントが海外のメーカーのものであることも一因かもしれませんが、元々大きくない乳房の患者さんだと、一番小さいサイズを選択しても手術していないほうより大きくなってしまったり、丸いかたち、しずくのかたちと言っても、やはり人それぞれですので、なるべく左右差がないようにインプラントを選択したとしてもオーダーメイドではありませんから、手術前とまったく同じようにならないこともあります。

 もちろん、手術前とほとんど変わりなくできたり、まったく手術前と同じとは言えないけれど、手術後も乳房の喪失感を味わわずに再建術に対し満足される方も多くいらっしゃいます。そのあたりの許容範囲は人それぞれですので、手術前に主治医に詳しく確認し、納得した上で手術を受けたほうがよいと思います。乳がんの手術というストレスに加えて、再建が思うようにならなかったというストレスで悩むことがないように。

[参考サイト]
一般社団法人
日本オンコプラスティックサージャリー学会
http://jopbs.umin.jp/general/index.html

乳房再建ナビ
インプラントによる乳房再建
http://nyubo-saiken.com/reconstruction/05_02.html

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当院常勤医、日本外科学会専門医、日本乳癌学会認定医

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JR東京駅徒歩4分・地下鉄日本橋駅徒歩1分、AIC八重洲クリニック 乳腺外科のブログです。 乳腺外科医が、乳がんなどの乳房・乳腺の疾患について、わかりやすく解説いたします。
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