授乳中・妊娠中に乳がん精密検査を受ける場合の注意

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    妊娠中または授乳期の乳房検査について

  1. 現在、妊娠中や授乳期に乳がん検診を希望、あるいは自覚症状があり乳腺外科受診の必要がある方が多くいらっしゃいます。その際、様々な質問が寄せられますので、以下に検査を受ける場合の注意事項を挙げます。

    マンモグラフィ検査

  1. 乳房に対するX線検査です。左右乳房を薄く挟んで圧迫し、上下方向および内外方向から各1枚ずつ撮影します。”腫瘤(しこり)”として見つかる癌、”石灰化”として見つかる癌いずれも検出可能です。ただし乳腺が発達している時期には病変の検出が困難な場合があります。妊娠中、授乳期においては下記の通り注意点が異なります。
    1. 妊娠中
    2. 基本的には撮影しないことが望ましいです。
    3. マンモグラフィで受ける放射線の線量は1~3ミリグレイで、胎児が奇形などの影響を受けると言われている線量100ミリグレイに比べるとはるかに少ないです。また乳房はお腹から離れていますので、さらに影響は少なくなります。ただし妊娠中には不必要なX線検査はしないという考えから妊娠中、もしくは妊娠の可能性がある方はできる限り避けたほうが望ましいです。ただし、明らかな”しこり”などの症状があり、精密検査の必要性がある場合には十分な理解のもとマンモグラフィを実施するようにしてください。
    4. 授乳期
    5. 原則的に検査可能です。検査直後の授乳は避けることが望ましいです。
    6. 授乳中は乳房が張っているため乳房を挟む際に通常より痛みが強いことがありますが、原則的に検査可能です。X線を照射する検査であり、検査直後の授乳は避けることが望ましいです。
  2. 超音波(エコー)検査

  3. 妊娠期、授乳期ともに安全な検査方法です。
  4. 乳房表面にゼリーを塗り、その上からプローブと呼ばれる検査器具を当てて乳房内部をみる検査です。乳房の内部構造を観察し、触診では触れない小さな腫瘤を見つけることができます。
  5. 造影MRI検査

  6. 妊娠中は撮影できません。授乳期は検査当日の授乳が制限されます。
  7. 乳房の造影MRI検査は乳房を下にしたうつ伏せの体勢で行い、圧迫を加えないで検査を行います。悪性病変が存在する場合には高信号(白く)として検出され、マンモグラフィや超音波検査では検出できない微細な乳癌も検出可能です。 造影剤は授乳中であっても使用可能ですが、当院では検査当日の授乳のみ制限しております。また妊娠中はMRIの磁場、造影剤に関する明確なデータがありませんので、原則として撮影できません。
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