乳がん検診はエコー、マンモグラフィのどちらをを選べばいいの?

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はじめての乳がん検診
 当院の乳がん検診・ドックを受けに来ていただく方の中には、初めて乳がん検診を受けてみようと思い受診したという方が結構な割合でいらっしゃいます。

 検査を始める前に、その方が選択された検査方法が気になることがたまにあり、ちょっとアドバイス、確認してから検査を始めることがあります。
 乳がん検診の検査方法には代表的な2つの検査方法(マンモグラフィ、超音波検査)があります。これらはその人の年齢や乳房の大きさなどによってもより良い検査方法が違いますが、私の印象としては、超音波が一番よい検査と思っている方が多いこと、またそもそも何を選択したらよいかわからないという方、さらには最初に受けた検査をとりあえずそのままずっと選択している方も多いと感じます。せっかく乳がん検診を受けるのであれば、その方にとってより良い検査方法を選択することで、異常所見の検出能も上がります。

 以前にも書いたと思いますが、乳がんの可能性がある代表的な所見として、“腫瘤”と“石灰化”の2つがあります。ざっくり言うと、この両方を検出できる検査がマンモグラフィです。一方、超音波検査は一般的には“腫瘤”の検出を得意としていますが、“石灰化”の検出は苦手です。ただ、あくまでざっくり言えばの話しで、超音波検査よりマンモグラフィの方が腫瘤を検出し易い場合もあります。
 特に、大きくて軟らかな乳房の方についてはマンモグラフィの方が腫瘤もわかりやすいことが多いです。つまり、腫瘤がマンモグラフィで検出し易い方はマンモグラフィ単独の検診で問題ありませんが、そうでない場合にはマンモグラフィを補う意味で超音波との併用検診を行うことが望ましいです。

 当院の乳がん検診・ドック(当日医師診察あり)を受けていただいた方には、その方にとって今後どのような受け方が望ましいか、詳しく説明させていただいておりますので、このブログをご覧いただいている方で、受け方が分からないなぁと思っていらっしゃる方は、一度当院の乳がん検診・ドックを受けていただければと思います。
 なお、乳がん検診の一般的な検査選択方法については、当院ホームページに記載させていただいておりますので、検診を受ける際に参考としていただければと存じます。

※現在、日本の乳がん検診は“40歳以上の女性、2年毎のマンモグラフィ検診”が推奨されています。この方法で乳がん検診を行った場合、乳がんによる死亡率の低下が明らかであるためです。多くの自治体ではこの推奨レベルをふまえ、40歳以上の女性に2年毎無料クーポンなどを配布していると思います。

ドクター乳がん検診の選び方について

当院ホームページ参考サイトはこちら

乳がん検診・ドック

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良性腫瘍「葉状腫瘍」とは

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葉状腫瘍_しこりが急に大きくなってきた

 乳腺にできる良性腫瘍にはいろいろな種類があります。その中で、線維腺腫はもっとも多い良性腫瘍のひとつで、超音波検診を受けると結果表によく記載されており、皆さんも一度は聞いたことがあると思います。

 この線維腺腫と画像上、また組織学的にも類似した良性腫瘍に葉状腫瘍があります。両者の相違点としては、線維腺腫は15~35歳と比較的若年者に多いですが、葉状腫瘍は35~55歳のやや高年齢層に多く、また急速に増大することがあります。
線維腺腫は基本的に良性ですが(以前も書いたように思いますが、ごくごくまれ0.02%程度の癌化の可能性はあります。)、葉状腫瘍は良性、境界型(ボーダーライン)、悪性に分類され、その50%以上は良性ですが、局所再発が良性でも20%以上、ボーダーラインや悪性になるとその割合はより高くなります。

葉状腫瘍と診断された場合は原則外科的切除となりますが、局所再発を繰り返すたびに悪性度が上がるとも言われており、切除の際には局所再発を防ぐため、腫瘍に十分なマージン(のりしろ)をとって切除する必要があります。
一方、線維腺腫も4~5cm大、または急速増大する場合には切除しますが、基本的には腫瘍部分を切除すればよいので、同じ大きさの腫瘤でも、葉状腫瘍と線維腺腫では切除範囲が違ってきます。

 悪性葉状腫瘍は25%程度あると言われていて、この場合は肺や骨などに遠隔転移することもあります。治療方法は、現時点では確立したものがあるわけではありませんが、肉腫に準じた化学療法、あるいは放射線療法などが選択されます。

 確定診断をするにあたっては、一般的に用いられる針生検では葉状腫瘍の40%程度が良性病変として過小評価されていると言われており、多くは線維腺腫と診断されます。より多くのボリュームを採取できる吸引式組織診や外科的な摘出生検でようやく正確な診断が可能な場合があります。当院でも、葉状腫瘍の可能性が否定できない場合は、針生検ではなく、吸引式組織診を行うようにしています。

葉状腫瘍の50%以上は良性となります

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乳腺炎と炎症性乳がんについて

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授乳中なのですが、乳房が-赤く腫れて痛いです_乳腺炎と炎症性乳がん?

授乳中、あるいは授乳期以外でも『乳房が赤く腫れて、痛みもある』というような症状の患者さんが時々受診されます。たいていは、乳房の一部が硬くなって、皮膚の赤みがあり、視触診で乳腺炎だろうと推測し、画像検索でも乳腺炎に一致した所見を確認でき、抗生物質や解熱鎮痛薬を内服していただくことで、症状が改善することが多いです。また、膿が溜まってしまっている場合には、切開して膿を取り除く処置が必要なこともあります。

ただ、ごく希に乳房全体を硬く触れ、乳腺炎なのか、または乳がんの一種である炎症性乳がんなのか視触診だけでは判断が難しいような高度の炎症を来している患者さんがいらっしゃいます。どちらの場合も、乳房全体が硬く触れる、皮膚が赤く変色するという症状を伴います。例えばエコー検査では乳腺炎であれば膿が溜まっていること、広い意味での炎症性乳がん(腫瘤を伴うタイプ)であれば腫瘤が確認できるなど、容易に鑑別可能な場合もありますが、純粋な炎症性乳がんは腫瘤を伴わず乳腺から皮膚の炎症像を呈するのみですので、膿が溜まるまでになっていないような乳腺炎と区別することが難しい場合があります。ただ、大きな鑑別点としては、炎症性乳がんであれば橙皮様皮膚といわれるオレンジの皮のような質感、ゴワゴワ凸凹していると言っていいのでしょうか、そんな皮膚に変化しており、画像でも皮膚が分厚くなっています。一方、乳腺炎では炎症性乳がんと同様、乳房は硬く触れ、皮膚は赤くはなっていますが、そこまでゴワゴワした印象ではないことが多いです。

先日40歳前半の患者さんが、右乳房の痛みと右乳頭の陥凹を主訴に受診されました。5年前に出産、現在授乳中ではありませんでした。また、お母様が乳がんとのことでした。
右乳房は全体的に硬く触れ、また皮膚も広範囲で赤くなっていましたが、皮膚の厚みは気にならない程度で、凸凹した様子もありませんでした。マンモグラフィ、超音波検査でも右乳腺全体が炎症像を呈してはいましたが、膿の溜まりや腫瘤はありませんでした。また、皮膚の肥厚ととれる所見はありませんでした。乳腺炎の可能性が高いことから、通常は1週間ほどの内服薬での治療で経過を見て、経過によっては炎症性乳がんの除外診断をするため生検を行うのですが、ご家族が乳がんであることもあり、患者さんと相談して生検で確認を行いました。結果は乳腺炎の診断でした。この患者さんは、時間の経過とともに膿が溜まってきましたので、膿を取り出す処置を勧めさせていただきました。

私の経験上、皮膚の変化というのが、2つの病気を鑑別するためのポイントであると感じてはいますが、炎症性乳がんは急速に変化する乳がんですので、少しでも迷うような場合は漫然と乳腺炎の治療をするのではなく、一度生検で確認をすべきであることは間違いありません。

乳腺炎と炎症性乳がんの違いは皮膚の変化がポイントです

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乳がん検診で「乳腺嚢胞」と結果が出たときは

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 昨年、『嚢胞が心配』というタイトルのブログの中で、検診で嚢胞と診断されたものの、当院で検査をしたら乳がんだったという2人の患者さんのことを書きました。

 最近、そのブログを読んで自分も念のためと当院の乳がん超音波ドックを受けに来てくださる方が結構いらっしゃいます。
「先生のブログを読んで、心配になって来ました。」と何人かに言われたので、ちょっと気になってその方々にも伝えましたが、嚢胞ではなくて乳がんだったというのは、あくまで希なケースです。
私も驚いたケースだったので、そのことを記事にしました。“嚢胞と書いてあるから、癌かもしれない!”と早合点しないでくださいね。。。と言うように、安心してもらおうと今回のブログを書き始めていました。せっかく受診していただいて、やっぱり嚢胞の方ばかりなので、少し心配させてしまったかなと気になっていました。

そんな矢先、実は先日また同じような患者さんを経験してしまいました。

 患者さんは40歳代後半の方で、毎年マンモグラフィと超音波の乳がん併用検診を受けており、今年5月に受けた時には左嚢胞を指摘されただけだったそうですが、左乳房にしこりを触れたため心配で受診されたそうです。当院を受診されたのが6月ですので、さすがに1ヶ月で異常が出現するとは考えにくいですが、念のためマンモグラフィで確認したところ、左乳房に乳がんを疑うギザギザしたしこり(微細鋸歯状腫瘤)、超音波検査でも同じように乳がんを強く疑う腫瘤を認めました。この所見以外には、嚢胞を含め所見は全くありませんでした。すぐにこのしこりを針生検したところ、やはり乳がんの診断でした。しこりは10mm程度で、その性状は乳がんと判別容易なタイプでした。

 この患者さんへの乳がん告知の際、今回受診した経緯について教えてもらったのですが、自分でしこりを触れたことから、インターネットで検索したところ『嚢胞が心配』のブログにたどり着き、当院を受診してくださったそうです。乳がんと診断されないほうが良いとは思いますが、早期癌でしたので適切な治療を行えばきちんと治る段階であり、このブログを読んで、念のためと受診していただいて本当によかったと思います。

 最初に書いたように、本当はこのブログは“心配しないでくださいね!”という内容で書き始めていたのですが、今年もこのような経験をしてしまったので、検診で嚢胞と指摘されたら、念のため次は別の施設で検診を受けてみるのも良いかもしれません。
嚢胞と言われた時は

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男性の乳がんについて

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 先日、男性乳がん患者さんの交流会のお話が新聞記事になっていました。私も以前、男性乳がん患者さんを診させていただいていましたが、「他の癌と同じなのに、恥ずかしくて周囲に言いづらい」とか、「伝えたら、何で男性なのにと言われた」など、病気と闘うこと以外に、自分の回りの人たちとの関係性にも気をくばらないといけない現状が確実に存在することを知らされました。

男性の乳がん

 男性でもそれなりの頻度(乳がん100~200例に1例程度)で乳がんを発症します。男性にも乳腺組織が痕跡的に、特に乳頭直下に存在しており、その乳腺組織から乳がんが発生するので、多くの男性乳がん患者さんは、乳頭部のしこりや皮膚病変などの症状を契機として病院を受診されます。
通常、60歳以上の高齢者に発生し(私の担当した患者さんは40歳~50歳代の方が多かったですが。)、女性乳がんより10~15歳高齢です。皮膚へ癌が浸潤することによる皮膚の赤みなどの症状に対し皮膚科で長い間治療していたが良くならない、また乳がんの可能性など考えてもおらずそのままにしていたなどで時々、乳腺外科を受診することが後回しになり、少し進行してしまっていることもあります。ただ、同じステージなら基本的には女性乳がんと治療方法や生命予後は変わりません。

 男性は乳がんのしこりができれば、よほどふくよかな方であっても、女性と比べると自覚し易く、もし男性乳がんもあるということを知っていれば、早めに乳腺外科を受診することができると思います。知らないばかりに受診が遅れてしまってはもったいないです。

 ただ、おそらくこのブログを男性に読んでいただいていることはまずないと思いますので、ご家族にある程度の年齢の男性がいらっしゃる場合、男性にも乳がんがあるんだよということを伝えていただき、また、たまにはお風呂上がりなどに、ちらっと横目で確認してあげてくださいね。

男性でも乳がんを発症します

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乳がんの触診について思うこと

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乳がんの触診について思うこと

 自己触診でしこりを自覚したため、他院を受診したところ、視触診はなく、超音波検査の確認だけでしこりなしと言われたものの、やはりしこりがあり心配という患者さんが先日当院を受診されました。
 私の視触診ではしこりを触れず、またマンモグラフィと超音波検査でもやはり何もありませんでした。また、数日前に受診された患者さんは、しこりをいくつも触れるため、これまで複数の施設を受診したものの、どの施設でも明かな異常がないと言われてしまい不安で診て欲しいという訴えでした。他にも、“触る”ことが画像での確認より優れている?と考えておられるような患者さんが結構多くいらっしゃることを、いつも不思議に思います。

 もちろん本物の“しこり”を触れて受診される方もいらっしゃいますが、上記の患者さんが訴える“しこり”は、私の視触診でも画像でもしこりではありませんでした。自己触診で見つかる乳癌もありますから、自己触診が不必要とは言えませんが、正常な乳腺が人によっては豆粒みたいに触れたり、やや硬く触れたりすることがあり、なかなか触診は難しいものです。

 一方、マンモグラフィや超音波検査といった画像検査は、触れるくらいのしこりはもちろん、触ってもわからないしこりまで調べられるものです。検査精度は画像検査>>>視触診です。画像検査が圧倒的に信頼できる検査方法ですので、マンモグラフィと超音波検査を受けて、しこりが存在しないと確認できたら、心配しなくて大丈夫です。安心してくださいね。

マンモグラフィと超音波検査をうけましょう

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乳がん検診受けましたか?

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 私は職業柄30歳代になってから定期的な乳がん検診を受けています。企業の健康保険組合の一般健診にセットに含まれるところも増えてきているので、一昔前と比べて、30歳代から受けていらっしゃる方も増えてきているように思います。
 ただ、実際日本人の乳がん検診受診率は諸外国と比べるとまだまだ低いと言われています。アメリカでは50歳代以上のマンモグラフィ検診が推奨されていますが、50-69歳までの受診率は80%以上です。イギリスやオランダなどのヨーロッパ諸国でも70%以上です。それと比較し、40歳代以上のマンモグラフィ検診が推奨されている日本では40-69歳の受診率が40%前後と言われています。だんだん受診率が上がってはきていますが、伸び悩んでいるのが事実です。

乳がん検診受診割合(50-69歳)国際比較

 また、40歳未満の方については乳がん検診を受けることが確実なデータのもと推奨されている訳ではありませんので、例えば乳癌や卵巣癌のご家族がいらっしゃる方を中心に受けておられることと思います。家族歴がない場合には受けた方がよいかどうかはまだ議論の段階です。

 当院の乳がん検診・ドックや外来を受診される方は、土地柄か20歳代~50歳代の比較的若い方が多いことも背景にありますが、先週と今週、当院で乳癌と診断した方のすべてが30歳代後半の方でした。さすがに1、2週間の内に発見する乳癌の患者さん全員が30歳代だったことはこれまでになく、検査スタッフも驚いていました。

 もちろん、その世代で乳癌になる確率は40歳代以上に比べれば明らかに低いですから、必要以上に心配することはありませんが、やはり現実問題として、乳癌は若年でも発症しうる病気です。さらに、早期発見すれば十分治る見込みの高い病気でもありますから、やはり30歳代から検診を受けても損はないかと思います。
 これまで乳がん検診を受けたことがない方は、気になる症状などなければなかなか乳がん検診を受けようと思わないかもしれませんが、このブログをたまたま読んで頂いたことをひとつのきっかけとして、今後は定期的な検診を受けて頂ければと思います。

定期的な乳がん検査をうけましょう

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予防的な乳房切除

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 何年か前、アメリカの女優さんが乳癌卵巣癌のリスクが高い遺伝子異常を持っていることから、予防的に両側乳房切除術を受けたことが大きな話題になったことを記憶されている方も多いのではないでしょうか。

 これまで日本の乳癌診療のガイドラインでは、遺伝性乳癌(BRCA1またはBRCA2遺伝子変異)の乳癌患者さんに対して、対側(乳癌と診断されていない側の乳房)を予防的に切除することについては、乳腺外科の診療および遺伝カウンセリング外来の中でその意義および注意事項につき十分に説明を受け、理解した上で、患者さんが自らの意志で選択する場合において検討してもよいという位置づけ(十分な科学的根拠はないが、細心の注意のもと考慮してもよいというレベル)でした。

 しかし先日、乳癌学会は、遺伝性乳癌について、将来的な乳癌発症のリスクを減らすため、対側の未発症の乳房を予防的に切除する手術をカウンセリングの体勢が整っているなどを条件に“強く推奨する”という推奨レベルに改定しました。これは、乳癌の発症や死亡を、予防的切除によって確実に減らせるというデータが得られたことによります。

 乳癌の患者さんが誰でも、またどんな施設でもこのような手術を受けられるわけではありません。また、予防的な手術(病気を治す目的ではなく、あくまで予防のため)ですので、保険適応になる可能性が今後も低いと思われます。さらに、患者さんそれぞれで考え方が違うことは当たり前ですので、条件にも入っているようにあくまで患者さんが自発的に希望した場合にとなります。

 予防的切除をしても、またしなくても間違いというわけではありません。ただし、これまでどうしたらよいか悩んでいらっしゃった遺伝性乳癌の患者さんにとっては、推奨レベルが上がったということには、ひとつの判断材料として大きな意味があるのではないでしょうか。

予防的な乳房切除

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超音波検査の特性

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 超音波検査の特性として、乳房が大きい場合(特に脂肪性分が多いタイプ)、乳房の深い部分(皮膚と反対の胸壁に近い部分)に存在する腫瘤は少ぼんやりしてしまうことがあります。当院の超音波検査機器は最新のものが導入されていますので、古いタイプの超音波機器より病変が検出し易いですが、やはり乳房が大きくて、胸壁に近い腫瘤像には気を遣います。

 先日、40歳代後半の患者さんが検診で両側乳腺腫瘤を指摘され要精密検査になったと受診されました。この方も、脂肪性分の多いかなり大きな乳房の方でした。指摘されたほとんどは嚢胞や、線維腺腫など良性所見と考えるものでしたが、その中で1つだけ、胸壁に近い部分にややぼやけた丸い腫瘤がありました。一見すると濃縮嚢胞を疑う良性の所見でした。血流信号や腫瘤の硬さを確認しても悪性を疑わせる所見はありませんでしたが、マンモグラフィでも描出されていること、また超音波のややぼやけた印象が気になったため、穿刺してみたところ液体成分が確認できなかったので(濃縮嚢胞であれば、液体成分が確認できることが多いです。)、針生検を実施したところ乳癌の診断でした。

超音波(エコー)検査のポイント
 超音波検査は小さめの乳房の方については、画像がクリアでわかりやすいことが多いですが、大きくかつ脂肪性分の多い乳房の場合には安易な画像のみの診断だけではなく、少し気になった場合はやはり穿刺などで確認することも必要であることを改めて認識させていただきました。 

 超音波検査が良い検査であると不確かな情報から理解されている方が多いと常々感じています。超音波検査はどんな方でも見やすいわけではありませんで、検診ではご自身の乳房のタイプに合わせて、マンモグラフィ、超音波検査を選ぶようにしてくださいね。

ご自身の乳房のタイプに合わせて選択

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低容量ピルと乳癌リスク

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乳癌の家族歴がありますが低容量ピルを処方されています

 当院には場所柄か、比較的若い患者さんが受診されることが多いのですが、思いの外低容量ピルを内服されておられる方がたくさんいらっしゃいます。主に月経困難症、避妊などに対して処方されているようですが、伺ってみるとかなり長期間にわたって内服しており、よくわからないけど医師から処方されるからそのままずっと飲んでいるという方が多いように感じます。先日受診された30歳代の患者さんは、母親、母方叔母が乳癌の家族歴をお持ちの方でしたが、最初は月経痛がひどかったため低容量ピルを処方され、ここ10年ほどずっと内服しているそうです。特に月経困難以外の婦人科疾患はないそうです。
本人に伺うと『よくわからないけど、受診すると処方されるのでずっと飲んでいます。』とおっしゃっていました。

 他の皆さんも、もちろん初めは必要な症状などがあって処方を受けたのだとは思いますが、特にこの患者さんのように乳癌の家族歴が濃厚な若い方が、かなり長期間にわたって処方されていることも多く、私としてはヒヤヒヤしたりします。低容量ピルと乳癌リスクについては、様々な研究報告があることから、医師それぞれ、また立場によっていろんな考えかたがあるとは思いますが、乳癌治療の立場からは現時点では低容量ピル服用はわずかながら乳癌発症リスクを増加させる可能性あり、ただし含有されるエストロゲン量などを考慮すればリスクの増加を防げる可能性もあると考えられています。ただ、乳癌と診断された患者さんには禁忌(使ってはいけない)であることを考えると、少なくとも乳癌に対しては良くは働かないと考えることが妥当と言えます。

 先日触れましたが、更年期障害の治療でのホルモン補充療法と同様に、必要な範囲内でなるべく短い期間にとどめるように心がけ、漫然と内服しないことをおすすめします。薬剤はどのような種類に対しても言えることですが、主治医とメリットやデメリットにつき相談し、十分理解した上で治療を受けて頂きたいです。

薬剤は漫然と内服しないことをおすすめします

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当ブログについて

JR東京駅徒歩4分・地下鉄日本橋駅徒歩1分、AIC八重洲クリニック 乳腺外科のブログです。 乳腺外科医が、乳がんなどの乳房・乳腺の疾患について、わかりやすく解説いたします。
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