マンモグラフィ検査の撮影は2方向ですか?
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マンモグラフィ検診を受けたことがある皆さんは、1方向撮影と2方向撮影があるのをご存知ですか?自分がどちらの撮影方向でいつも検診を受けているか、気にしたことはありますか?あまり気にしていない方のほうが多いのではないでしょうか。
マンモグラフィ検診要精査で当院を予約していただく患者さんには、検診施設のマンモグラフィ画像をコピーしてもらい持参するように伝えます。そのほとんどは2方向撮影の画像で、1方向画像を持参される方は最近は本当に少ないです。それで1方向の患者さんに『いつも1方向ですか?』とか聞いてみたりするのですが、たいていは『どういうことですか?』とか、『そう言えば、いつもより撮影が少なかったような気がしますけど~』くらいの認識です。
1方向撮影とは片側乳房を1回だけ撮影、2方向撮影とは片側乳房を挟む方向を変えて2回撮影する方法です。1方向の場合、通常内外斜位方向(MLO撮影)のみを行います。2方向ではこれに追加して頭尾方向撮影(CC撮影)を行います。MLOは乳房を“左右から”圧迫して挟み込み、CCは“上下から”圧迫して挟み込みますが、それぞれ挟み込める乳房の範囲に限界があります。一般的にはMLOでは実際は少し斜めに挟み込むため、乳房の上部内側や乳房下部領域、CCでは乳房上部や外側領域は画像に映し出すことが困難なブラインドエリアとなります。実際、腫瘤として発見される乳がんのマンモグラフィ画像において、1方向のみではブラインドエリアにあり確認できず、もう1方向のみに写っているだけのこともあります。
今度、マンモグラフィを受けるときには『2方向撮影かな?』と確認してみてくださいね。もちろん、当院の乳がん検診においても2方向で撮影しています。
[過去記事]
マンモグラフィ検査の撮影方法・撮影回数について
[参考ページ]
公益社団法人 日本放射線技術学会
マンモグラフィ
https://www.jsrt.or.jp/data/citizen/housya/x-02/
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