リンパ浮腫と食事・運動について

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先日、リンパ浮腫とはどのようなものかについて簡単に書きました。その中でマッサージのことを少し触れたのですが、他にも大切な注意点がありますので、追記したいと思います。

まず、乳がん術後に起こる上肢のリンパ浮腫の危険因子としては“肥満”がほぼ確実であることがわかってきました。このことから、適切な体重管理をすることで、浮腫を軽減させることが期待されています。特に脂肪制限を含んだ摂取カロリーを減らす食生活を行うことが良いとされています。

“肥満”はそもそも閉経後の乳がん発症リスクに挙げられています。病気にも、その術後後遺症であるリンパ浮腫にも良い影響を与えますから、食生活の改善は乳がんにとって重要なことです。ただし、『あれを食べればよい、これを食べたらダメ』と細かいことは実際まだわかっていませんから、あまりこだわり過ぎずに生活習慣病にならないようなイメージで、ストレスを溜めないくらいに気を付けたらよいのではと思います。

また、先日書いたマッサージの他に自分でできることとして、運動療法があります。

リンパの流れは、その周囲の筋肉の運動(ポンプ作用)によって、受動的に流れるものです。筋肉があまりない方は、ちょっとした疲れなどで足がむくむ経験をされたことがあるかと思いますが、上肢のリンパ浮腫においても、上肢の筋肉を鍛えることで浮腫発症率を下げることが明らかになってきました。代表的なものとして、肩の上げ下げ運動、腹式呼吸法、棒を使った肩関節の可動域訓練などがあり、これらを組み合わせた適切な運動を日々繰り返すことで、リンパ浮腫を防ぐことができます。特に、一度起こってしまってからより、起こる前からの予防が重要です。

なかなか運動が得意でない、億劫だと感じる患者さんもいらっしゃるとは思いますが、浮腫が一度起こってしまうと実際、日常生活がちょっとやっかいになってしまいます。ちょっとした時間の中で、少しずつでもコンスタントな運動療法を行っていただきたいです。

[過去記事]

リンパ浮腫とは?

[参考ページ]
一般社団法人 日本リンパ浮腫学会
リンパ浮腫の考え方と治療の基本
https://www.js-lymphedema.org/?page_id=848

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当院常勤医、日本外科学会専門医、日本乳癌学会認定医 経歴 埼玉メディカルセンター 乳腺外科(旧 埼玉社会保険病院) 2016年4月 AIC八重洲クリニック 乳腺外科
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