乳がんの触診について思うこと
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自己触診でしこりを自覚したため、他院を受診したところ、視触診はなく、超音波検査の確認だけでしこりなしと言われたものの、やはりしこりがあり心配という患者さんが先日当院を受診されました。
私の視触診ではしこりを触れず、またマンモグラフィと超音波検査でもやはり何もありませんでした。また、数日前に受診された患者さんは、しこりをいくつも触れるため、これまで複数の施設を受診したものの、どの施設でも明かな異常がないと言われてしまい不安で診て欲しいという訴えでした。他にも、“触る”ことが画像での確認より優れている?と考えておられるような患者さんが結構多くいらっしゃることを、いつも不思議に思います。
もちろん本物の“しこり”を触れて受診される方もいらっしゃいますが、上記の患者さんが訴える“しこり”は、私の視触診でも画像でもしこりではありませんでした。自己触診で見つかる乳癌もありますから、自己触診が不必要とは言えませんが、正常な乳腺が人によっては豆粒みたいに触れたり、やや硬く触れたりすることがあり、なかなか触診は難しいものです。
一方、マンモグラフィや超音波検査といった画像検査は、触れるくらいのしこりはもちろん、触ってもわからないしこりまで調べられるものです。検査精度は画像検査>>>視触診です。画像検査が圧倒的に信頼できる検査方法ですので、マンモグラフィと超音波検査を受けて、しこりが存在しないと確認できたら、心配しなくて大丈夫です。安心してくださいね。
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