腫瘍マーカーと乳がん検診

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腫瘍マーカーの検査で乳がんの疑い

最近では様々な“血液検査でがんが発見できる!”という方法が、出てきてはまた消えていったりしています。確かに簡便でコストのかからない血液検査で特定の癌を、早期の段階で発見できればそれに越したことはありませんが、現時点ではまだそのような検査方法は確立されてはいないようですね。きちんとした裏付けのある検査方法を選択するのは一般の方にはなかなか難しいのではないかと思ったりもします。

そのような早期癌を血液のみで発見するかもしれないという流行の検査とは別に、一般健診のオプションに、昔ながらのCEAやCA19-9、CA125などポピュラーな腫瘍マーカーを検査している施設も多いですよね。当院の人間ドックにおいても、それらの腫瘍マーカーが原則含まれています。CEAは乳がんの治療効果を判定することを目的のひとつとして、乳腺外科領域でも測定することがあるマーカーではありますが、早期の乳がんでは通常正常範囲内です。乳がんの診療でよく使うマーカーとしてCEAの他、CA15-3もありますが、これらはある程度進行した乳癌でようやく上昇し、通常例えば肺や肝臓などに転移がある段階の患者さんに対して、使用している薬物療法の効果判定のため、その値の増減をみたりします。ですので、早期の乳がんを発見するための検診目的でCEAやCA-15-3を測定して正常値でも、意味がないと言ってよいです。また、そもそもこれらは乳癌のみに関連した指標ではなく、消化器系、自己免疫疾患他の様々な病気によっても上昇するものですので、上昇=乳癌とも言えません。

腫瘍マーカーをわざわざオプションで選んで検査している方の多くが、何となく調べたほうがよいのかなと漠然と受けておられる印象が強いです。特に値段の高い検査=良い検査と思っている方も多いような気がします。

現在、日本女性に対して明かなデータに基づいて推奨されている乳がんの検診方法は40歳以上、2年に1回のマンモグラフィを用いた画像検診です。痛みを伴う検査ですので、敬遠され、それが血液検査を選択することにも繋がっているのではないでしょうか。マンモグラフィはそんなに高くない検査ですが、確立されたよい検査方法ですので、少なくとも乳がん検診目的であれば、腫瘍マーカーを調べるよりはマンモグラフィを受けて下さいね。

[参考文献]
国立がん研究センター がん情報サービス 腫瘍マーカー
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/shuyo_marker.html

日本臨床検査医学会 臨床検査のガイドライン JSLM2005/2006 腫瘍マーカーの見方
https://www.jslm.org/books/guideline/05_06/298.pdf

独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター 腫瘍マーカー(臨床検査科)
https://osaka.hosp.go.jp/cancer/shinryouannnai/syuyou/index.html


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