“花咲き乳がん”とは?皮膚科的なできものとの違い

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 この“花咲き乳がん”とは、乳がんのしこりが乳腺内にとどまらずに、皮膚を突き破って身体の表面に顔を出している状態のことを指します。専門的には“皮膚浸潤”と言います。正常な皮膚を破壊したがんのしこりは、はじめはおできのような膨らみ(腫瘤)のようにプツプツと小さくてピンク色や紫色のしこりとして認められます。これを治療をせずにそのままにすると、がんのしこりが崩れてその部分がえぐれたような状態(潰瘍化)したりします。この段階になると、血液成分を含む体液の染み出しが認められるようになり、また痛みを訴えるようにもなります。さらに、正常な皮膚を破壊しているがん組織では感染にも弱くなっており、細菌やカビなどの感染による膿や強い臭いもでてきます。

 最近では、薬物治療また皮膚のケアなどの適切な治療を行うことで、このような状況を避けられることも多くはなってきましたが、このような病変が身体の表面に広がってしまうと、出血や臭いに対する対処は、医療スタッフやご家族など周りの方の協力が必要になってきます。

 時々、私の外来にも『皮膚に赤いできものがある、乳がんではないか?』と、“皮膚の赤いできものは乳がん”などの情報を見聞きして受診される方がいらっしゃいますが、そのほとんどは皮膚科的な訴えです。乳がんによるそれであることは、そのごく一部の患者さんです。皮膚浸潤が起こるほどの乳がんは、“氷山の一角”ということばがありますが、乳腺内の病変はかなりしっかりとした病変になっていますので、単純に皮膚のできもののみではありません。

 ただし、患者さん自身でそれを判断するのは難しいかもしれませんので、気になるようなら皮膚科または乳腺外科で一度ご相談くださいね。少なくとも、皮膚科の問題か乳腺外科の問題かは見ればすぐにわかりますので、安心のためにも。

[ 参考ページ ]
「よくあるご質問 乳がん」
福岡大学医学部外科学講座 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/thoracic/patient/qanda02.html#10


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