乳がん検診 マンモグラフィ検診の結果表に「構築の乱れ」と書いてあるけれど
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乳がんマンモグラフィ検診の所見“構築の乱れ”を指摘され、当院を受診される方が最近目立ちます。その患者さんの多くが、“構築の乱れ”について以前お話しした当院ブログを読んで受診したとおっしゃいます。
乳がん検診 マンモグラフィ検査結果の「構築の乱れ」とは?
前のブログの中で書いたように、残念ながらと言ってよいのか、“本物の構築の乱れ”であることがあまりなく、持参していただいた結果表に“構築の乱れ”と書いてあっても、私自身、正直最近は身構えなくなっていたかもしれません。
そんな中、50歳代前半の患者さんが受診されました。この患者さんはマンモグラフィと超音波の併用検診を受けており、その結果表には【マンモグラフィ→左構築の乱れ“疑い”カテゴリー3、超音波検査→左嚢胞、左石灰化】と記載されていました。以前も書きましたが、マンモグラフィで“本物の構築の乱れ”があった場合(カテゴリー4)、超音波検査では、一目でわかる乳癌の病変が確認できるはずです。
この患者さんは、検診の画像は持参されておりませんでしたので、いつものようにマンモグラフィは構築の乱れがなくて、だから超音波検査でも嚢胞しかなかったんだろうと思いました。通常、マンモグラフィ+超音波併用検診を受けた場合の総合判定の考え方に基づけば(総合判定のことも、以前“せっかく併用検診~”に書いていますのでよかったら読んで下さい。)、この結果だと精密検査にはならないのに。。。無駄な“要精査”だろうなと思いましたが、患者さんには一応、『この超音波検査の結果を考えると、“偽物の構築の乱れ”の可能性が高いけど、“本当の構築の乱れ”があるといけないので、ちゃんと確認しましょうね。』と言って、マンモグラフィと超音波検査を受けていただきました。
ところが、マンモグラフィを終えたようなので、先に画像を確認したところ、左乳房上部全体にはっきりとした構築の乱れを認めました。このマンモグラフィの結果からして超音波検査で異常がないはずはなく、超音波検査でも左乳房上部全体を占める乳癌の病変がありました。何だか、いろんな意味で複雑な気持ちになりました。
とにかく、やはり“構築の乱れ”の結果があった場合は、必ず乳腺外科を受診してくださいね。
せっかく併用検診受けたのに