乳がん検診で「乳腺嚢胞」と結果が出たときは
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昨年、『嚢胞が心配』というタイトルのブログの中で、検診で嚢胞と診断されたものの、当院で検査をしたら乳がんだったという2人の患者さんのことを書きました。
最近、そのブログを読んで自分も念のためと当院の乳がん超音波ドックを受けに来てくださる方が結構いらっしゃいます。
「先生のブログを読んで、心配になって来ました。」と何人かに言われたので、ちょっと気になってその方々にも伝えましたが、嚢胞ではなくて乳がんだったというのは、あくまで希なケースです。
私も驚いたケースだったので、そのことを記事にしました。“嚢胞と書いてあるから、癌かもしれない!”と早合点しないでくださいね。。。と言うように、安心してもらおうと今回のブログを書き始めていました。せっかく受診していただいて、やっぱり嚢胞の方ばかりなので、少し心配させてしまったかなと気になっていました。
そんな矢先、実は先日また同じような患者さんを経験してしまいました。
患者さんは40歳代後半の方で、毎年マンモグラフィと超音波の乳がん併用検診を受けており、今年5月に受けた時には左嚢胞を指摘されただけだったそうですが、左乳房にしこりを触れたため心配で受診されたそうです。当院を受診されたのが6月ですので、さすがに1ヶ月で異常が出現するとは考えにくいですが、念のためマンモグラフィで確認したところ、左乳房に乳がんを疑うギザギザしたしこり(微細鋸歯状腫瘤)、超音波検査でも同じように乳がんを強く疑う腫瘤を認めました。この所見以外には、嚢胞を含め所見は全くありませんでした。すぐにこのしこりを針生検したところ、やはり乳がんの診断でした。しこりは10mm程度で、その性状は乳がんと判別容易なタイプでした。
この患者さんへの乳がん告知の際、今回受診した経緯について教えてもらったのですが、自分でしこりを触れたことから、インターネットで検索したところ『嚢胞が心配』のブログにたどり着き、当院を受診してくださったそうです。乳がんと診断されないほうが良いとは思いますが、早期癌でしたので適切な治療を行えばきちんと治る段階であり、このブログを読んで、念のためと受診していただいて本当によかったと思います。
最初に書いたように、本当はこのブログは“心配しないでくださいね!”という内容で書き始めていたのですが、今年もこのような経験をしてしまったので、検診で嚢胞と指摘されたら、念のため次は別の施設で検診を受けてみるのも良いかもしれません。