更年期障害に関連した症状と漢方薬について
Posted on
私は学生時代に漢方研究会に所属していたこともあり、乳癌の治療を行っていくに当たって時々遭遇する症状に漢方を処方したり、また自分自身の体調変化に対しても漢方を試して自分のカラダに合うと感じたものを取り入れたりしています。
当院のスタッフにも体調の変化があり、症状を聞いた上で処方してみたところ、効果が感じられたと元気にしているものがおります。
特に当院のようなクリニックで乳腺外来をしていると、乳腺外科的な症状とは言い難い症状を訴えて受診される方が多くいらっしゃいます。乳房の張りや痛みを主訴に受診され、念のためマンモグラフィや超音波検査をしても、症状に一致するような所見がないことがほとんどです。乳房が痛い、張ると本人が感じていても、本当にそれが乳房由来かどうかはなかなか判断しにくいものですが、その症状が乳腺外科的な疾患による症状であれば、少なくともマンモグラフィか超音波で容易に診断できます。
検査で異常がない場合には、乳腺外科的な疾患とは言えず、やはり別の原因を考えるのが妥当で、例えば乳房の近くにある筋肉の張りや、神経痛など病的と言えるかは怪しいところですが整形外科的な問題であったり、また希には心臓など循環器的な異常で乳房を痛いと訴える患者さん、また関節リウマチなどの自己免疫疾患による関節炎からの痛みを乳房の痛みと感じて受診される方も実際いらっしゃいます。そしてもう一つ、以前も書きましたが更年期障害の不定愁訴の一つとして乳房痛や乳頭部痛という症状があります。
更年期障害は、いろいろな科の異常がないことを確認した上で産婦人科医によって診断されるべき疾患ではありますが、当院を上記のような症状で受診する方に細かい症状を伺うと、更年期障害の症状ではないかなと想像する方が多くいらっしゃいます。
私もそのような年齢になってきていますが、特に画像などで異常がなくても、何だか体調に波があったりしますよね。例えば抑うつ状態だとか、ホットフラッシュがひどいなどホルモン補充療法が必要な重い症状ではなく、何となくあそこが痛い、ここが痛いなどの症状があった場合は、一度漢方を試してみるのも私の経験上おすすめですよ。
もし、乳房痛が心配な方は一度受診していただき、乳腺に問題がないことを確認した上で、症状によっては適宜産婦人科に紹介させていただいておりますのでご相談ください。